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日本でタイマッサージのスクールを経営していた岩本めぐみさん。
約5年前に初めてインドのバルカラビーチにヨガをしに渡印したことがキッカケとなり、
現在は、バルカラビーチでゲストハウスを経営しながら、
Maitriiヒーリングウェア-アーユルヴェーダのハーブで染められた洋服の制作。
タイマッサージやヨガスクールも提供しています。
芸能界でご活躍されいた頃から、現在までの経緯を伺ってきました。


【Profile】
岩本 めぐみ
1979年大阪生まれ。滋賀県にて育つ。
2004年タイマッサージに出会い現在の生活に繋がる。
2007年”rammuu踊る手”として、トリートメントスペース、スクールを始める。
現在は、滋賀県瀬田駅前ホットストーンスパfandii内にて営業中。
また、南インドに住みながら、インド、滋賀にて活動を続ける。

お住まいの地域:ケララ州 バルカラ (Varkala Kerala)
HP:rammuu(踊る手)

「ヨガを毎日受けるため」


「インドへ来ることになったキッカケ」

さいむら:インドに初めて来たのはいつ頃ですか?

岩本インドに来たのは5年前(2009年)です。

さいむら:ご旅行ですか?

岩本いえ、アーユルヴェーディックやヨガを勉強するためです。
当時は、「ヨガを毎日受ける」ということだけを目的に来ました。
バルカラで3ヵ月間、毎日起きたらヨガにいく、という日々を繰り返していましたね。
そこから2年半あけて、またこっち(インド)戻ってきて、今ですね。

さいむら:その時は、お仕事はどうされていたんですか?

岩本その時は、自由がきく環境だったので、お休みをとって。
仕事は日本で、タイマッサージとかルーシーダットン(タイのヨガと呼ばれている)とかをやっているスタジオとサロン兼スクールの経営をしていました。

さいむら:おーすごい!

岩本経営というよりは、無理やりやっているっていうという感じです。無理やり、そうなるように持っていきました。(笑

さいむら:経営し始めて、何年か経ってからインドに行かれたんですか?

岩本そうですね。やっぱり精神性とか、ヨガとか深めていくとインドにも繋がっていったので。

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「人と関わっていかなアカン!」


「日本でマッサージを始めるようになったキッカケ」

さいむら:それらを始められたキッカケはなんだったんでしょうか?

岩本タイマッサージに出会う前は、東京で芸能関係のお仕事をしていました。スカウトしてくれた方が2,3年位ずっと縁を続けていただいて、結構頻繁に連絡をくれるので、「何かあるのかな」と思って1年契約で東京にいったんです。
そしたら、(芸能関係に)全く向いていなかったんですよね。(笑

それで、全く向いていなかったので、これじゃなかったんや。って思ったのをキッカケに「じゃあ、何をしようかな?」っていう風に考えられて、「何が向いてへんかったんやろ」とか、「なんで、居心地がよくないと感じるんやろ」とか、いろいろ考えました。

辞めるっていう事は、東京から、また自分の地元に戻るわけなので、今度こそ続けられること、自分が本当に内側から、喜んで、イキイキとできることってなんなんだろう?って考えて。それで、紙に書き出したんですよね。自分がどういう風に生きていきたいか?とか、何が向いてなくて、今の仕事を辞めようとしているのか、とか。

色々書き出していったら、マッサージにたどり着いたんです。

さいむら:そうだったんですね。ご経験はあったんですか?

岩本全くやったことはなかったです。興味もなかったんですけど。
その書き出した後から、なんやろなーって日々考えてたら「マッサージ」なんかなと思ったんですよね。

一つは、人とのつながりに疲れていたんですよね。芸能界って特別な業界なので、やっぱり難しいんです。それ以外でも人間関係の問題って誰でもあると思うんですけど、やっぱりしんどいわってなってしまいました。

だけど、芸能界については自分が選んで、チャレンジして、好きで始めただけに、不幸な方向(人間と接したくない、みたいな方向)にはなりたくなかったので、
そこは、むしろ人間と触れ合っていかなアカン!と思いました(笑

人間関係を避けて工場とかに行くっていうのも、滋賀県工場いっぱいあるんでアリだったんです。
でも、それもなんか違うし、より輝いた生き方をするんだったら、「もう人と関わりたくない」というのを選ばずに、関わりまくっていかなアカンと思いました。

そこで、逃げてマイナスな方向にいってしまったら、自分が1年間頑張ってきたことが、マイナスにしかならなくなってしまうと思って。

あとは、やっぱり芸能界にいた時に、中身がない感じがしました。マネージャーさんがいて、やれって言われてやるっていう。
やりたくないっていう事をやる事がすごいエネルギーがいるんです。せっかく私のために、マネージャーさんが取ってきた仕事に対して、私がやりたくないっていうのは、すごく心が痛みました。だけど逆に、なんでもハイハイってやっていたら、自分の心が無くなるっていうのがあって、それですごい疲れてしまって。

人に言われて「何かをする」っていうのが、私には向いていないなって思いました。
芸能界にいた時は、“女性”を使うっていうのをすごい強要されたので、もっと媚を売れ、もっと化粧うまくなれとか、言われて。
そういう事もナシで、あとはどこに行っても身体一つで出来ることってないんかな?と思っていたのもあって、マッサージに辿りついたんです。

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「ラムー(踊る手)」


さいむら:実際には、どうやって始められたんですか?

岩本24、25歳の時に始めて、最初は、自分で独立することを目的に、まずは技術をつけなきゃなと思って3年間マッサージ店に勤めました。
でも、お店は一か所でなく、いろいろ回って。自分で無理やり形にしていったっていう感じですね。

さいむら:今も、日本での経営はやられているんですか?

岩本今は、ありがたいご縁でfandiiというお店の奥にて営業しています。
ありがたいことに、妹がトリートメントをしているのでrammuuはお任せしています。
スクールは帰国する時期をHPに記載して、その都度、開講しています。

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お店:ラムー(rammuu-タイ語で踊る手という意味-)

「バルカラビーチでヨガ」


「バルカラを知ったキッカケ」

さいむら:話は戻りますが、どうして最初にバルカラを選んだのでしょうか?

岩本バルカラを知ったキッカケは、私が一番最初にインドにヨガをしに行くって言ってた時に、一緒に行く予定だった方がYoutubeでバルカラビーチでヨガをしている動画を見て、「ここがいい!」ってなったんです。ご縁ですね。

さいむら:それで、3か月間ヨガを勉強して、また日本へ帰ったんですね。

岩本そうですね。その時は、まだ日本で自分ができている事に全然満足がいっていませんでした。親がいるから好きなことをやらせてもらっているっていうだけで、形にはなっていなかったので。自分が納得いくために、引き続き経営を続けていった感じですね。

夕暮れどきのバルカラビーチ

夕暮れどきのバルカラビーチ

「彼との出会い」


「どうしてバルカラで事業を始められたのですか?」

さいむら:今回、バルカラでゲストハウス事業を始めることになったキッカケはなんだったんでしょうか。

岩本キッカケは彼(旦那)ですよね。彼はインド人なんですが、彼と結婚することになったんですけど、日本の事業が中途半端な状態では、もしインドに来て一緒になっても何も生まれないと思っていました。
だから、自分がやってきたことが納得いく状態、(たとえば「インドに行ってきます」と言ったときに、名残惜しんでもらえるくらい、人に何か出来てきたか。)になっていないと、っていうのを思って始めたので、簡単に「結婚します」、って辞められるものではありませんでした。そう思っていたら2年半かかっちゃったんですよね。

2年半、遠距離で、そのあとインドに来て、籍をいれました。

さいむら:旦那さんとはどのように出会われたのですか?

岩本私が毎朝、通っていたヨガへの道に毎朝いたんですよね。
毎日私がその道を通っていました。

さいむら:バルカラのご出身の方なんですか?

岩本そうですね。どんなカップルでも結婚したらめちゃくちゃ大変だと思うんですけど、その上にインド人ですし、一緒に事業を始めようとしているから、大変ですよね。(笑

さいむら:すごいですね。旦那さんのお仕事はなんだったんですか?

岩本彼も、もともとアーユルヴェーディックのマッサージができる人です。あと、レストランにも勤めていたので料理もできるので、ゲストハウスに泊まってくれた方に料理を振る舞ったりできますね。

さいむら:なるほど。出会ったのは4年前っていうことですね。

岩本そうですね、でも2年半は離れていたので。

さいむら:2年半の間は、1度もインドには来られてないですか?

岩本来ていないですね。そんなに若くもなかったし、会うだけに交通費とか、仕事を休んでまでっていうのは難しかったですね。

とっても仲のいいMegumiさんと旦那さん(Suniさん)

とっても仲のいいMegumiさんと旦那さん(Suniさん)

「ゲストハウスは入口のひとつ」


「現在の事業について」

さいむら:今はどのような事をやられているんですか?

岩本今までやってきたスクール、マッサージとルーシーダットン(タイのヨガ)、インドのヨガです。
あとはツーリストの方にマッサージをしたり、宿泊していただいた方にルーシーダットンしたりとか。

さいむら:インドでタイのマッサージをしているっていうことですね。

岩本そうですね。

さいむら:始められたのはいつごろでしょうか?

岩本2013年11月に借りて、これから本格的に始めていく感じです。
ゲストハウスは本当に、キッカケというか入口なんですけど、もっと日本人の方に、来ていただきたいです。

私が行き詰っていた時に、タイでマッサージを学ぶ時間がすごく輝いていて、なんか当たり前のことなんですけど、やっぱり体験したら自分が小さい事で悩んでいたんだな、とか、世界が小さかったっていうのは、やっぱり体験しないとわからないものですよね。

言葉が通じない環境や文化や考え方の違う場所と接したり、優しさに触れたりとかするのって、やっぱりすごくキッカケになると思うんです。日本でも、もちろん見つけられると思うんですけど、やっぱり取っ掛かりとしてすごく簡単に感じられる、自然にぽーんと放り込まれるような感じで。

そういう時間を一緒に過ごしている人って、変わるんですよ。みんな子供のようなピュアな笑顔で、生きてる!!って感じで。やっぱり、そういう場所をシェアできるっていうのはすごく幸せだなって思って。

さいむら:そういうのもあって、ここでもいろんな方に来ていただけるようになっているんですね。

岩本やっぱり、南インドはありがたい環境で、そこら中にハーブが
咲いているし、それを摘んでお料理したり、風邪を引いたらスチームしたり、女性だったらお肌にパックしたり、自然と共に過ごす。自分も自然の一部だから心地よい。小さい頃のおままごとのような時間、そんな普通の事だけど、そんな時間を一緒に過ごしたいです。

見た目も素敵なMaitrii Home

見た目も素敵なMaitrii Home

「インドではない」


「バルカラビーチについて教えてください」

さいむら:バルカラビーチってどんな所ですか?

岩本もうインドではないような気はします(笑
別世界が広がっている感じですかね。ちょっと中のほうに来れば雰囲気が変わるんですけど。ビーチの方に行くと、もうリゾートっていうかインドではないですよね。

さいむら:確かに、ステレオタイプなインドというイメージとはかけ離れてますね。
あまり日本では有名じゃないんですかね?

岩本日本では、ガイドブックに載ってないせいか、あまり日本人に会わないですね。
コヴァラムビーチはもうちょっと有名なのかもしれないですけど。
ビーチ沿いのレストランはお料理も美味しいですし、コヴァラムビーチより安いと思います。モモ(チベット料理で餃子のようなもの)も食べれますし。

さいむら:チベット人が多いですよね。

岩本チベット人は優しいですよね、押しも弱くて(笑)インドの方より顔も近いし。

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「どんな人でも」


「今後の目標・夢について教えてください」

さいむら:今後の目標を教えてください。

岩本やっぱり、来てもらった方に心がほっこりしてもらえるような場所を提供したいですね。

さいむら:どんな人に来てもらいたいですか?

岩本どんな人でもです(笑)
どんな人でも来てくれて、私自身もそこで、もっとなんというかマイナスな部分が削られて成長していけばいいなっていう感じですかね。
今はもう全てがはじまったばっかりで心穏やかに過ごすことがまず難しいんですけど。(笑)まずは、そこをクリアして、旦那との生活もクリアして、、これからですね。

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「一瞬だけではもったいない」


「インドで働きたい・興味があるっていう方へメッセージ」

さいむら:これからインドで働きたい、インドに興味があるっていう方に一言。

岩本どーですかねー。良いも悪いも、インドに来ると本当に、喜怒哀楽が豊かになることは間違いないような気がするので(笑)、そこから、いかにシャンティ(サンスクリット語で平和、至福、祈り)な方向にいけるかですかね。どこでも良い面と悪い面があると思うんですけど、日本では絶対できない経験できたり、あとやっぱり貧しい国な分、人と人との繋がりの深さとかもありますし。

まぁ信じたら裏切られた、とかいうこともその分ありますけど(笑)

でも、いればいるほど良い所が見えてくるというか。一瞬だけ来たら、やっぱり日本と全然違くて疲れちゃって、とかだと思うんですけど、いたらいた分インド人やっぱりいい人やなっていうのがよりわかるから。一週間だけ来て嫌になって帰ってしまうのはもったいないかなぁと思いますね(笑)

そこからですね。

私は初めて来たとき、絶対インド人の彼なんかあり得ないと思っていましたし、まさかの大どんでん返しでインド人と結婚するなんて1%も思わなかったというか、もうあり得ない!と思ってましたから。でも、それがやっぱりインドにいたらこうなってしまうので。

何があるかわからないですね。

でも、すごく人間らしくいれている気はします。

さいむら:いいですね!

(インタビュー・編集=雜村洸宇、写真=MOXI)

<インタビューを終えて>
バルカラビーチに負けず、お綺麗なメグミさん。
これからが本格的に事業を展開されていくようです。
私も次はぜひ泊まってみたいと思えた素敵な空間でした。
インドにもいろんな場所があるっていう意味では本当にお勧めです!